本来のマインドフルネス瞑想は、どんな効果・変化を得られる可能性があるかを学びます。
前ページの「マインドフルネス瞑想の宗教性」で、「仏教は、心を整え、清らかな【心の主】として暮らせるようになって、苦しみから解放され、福楽に暮らす人になるためのもの。原点の本来のマインドフルネス瞑想はそのためのもの」と学びました。
自分の「心の主(あるじ)」になるというゴール
あなたは今、自分の心を自在に扱えているでしょうか。
たとえば
- 浮かんできた思考や感情のままに、不安や後悔やイラダチなどを繰り返していないでしょうか。
- 集中できなかったり、心ここにあらずのような状態で、ミスや間違いをしたり、良い成果を出せずにいないでしょうか。
多くの人はそうして「心の主人」ではなく「心の奴隷」のように日々を送っています。

私自身もかつてそうでした。でも、本来のマインドフルネス瞑想を実践して確かに変わりました。
いつでも自分の心に気づいている【自分の心の主】でいられて、心を管理・コントロールできて、適切な状態でいられて、穏やかに豊かに生きられるようになりました。
本来のマインドフルネス瞑想で実現できるゴールを一言でいうとすると、自分の心の主になること、清らかな心の主になることです。
マインドフルネス瞑想の 一般的に知られる効果は当然
近年の西洋型のマインドフルネス瞑想では、以下のような効果が示されています。
- 睡眠の改善
- 集中力・記憶力の向上
- 不安や緊張の軽減
- 怒りや衝動のコントロール
- 心の安定・穏やかさの増加
- 免疫力や体調の改善
- 仕事や学習の質の向上
これらは確かに、マインドフルネス瞑想を続けることで得られる恩恵です。けれども、本来のマインドフルネス瞑想からすると、これはあくまで入り口の効果にすぎません。
本来のマインドフルネス瞑想の効果例
原点の本来のマインドフルネス瞑想をこのコースのように適切に学んで取組んでいくと、近年の西洋型のマインドフルネス瞑想より、さらに広く深い効果が得られます。
サマタ瞑想 による集中やリラックスの力
原点の本来のマインドフルネス瞑想には、大きく2つの柱があります。1つは「集中の瞑想」と呼ばれるサマタ瞑想です。
サマタ瞑想の取組みを重ねると、たとえば、次のような効果や変化を得られるようになります。
- 集中力が高まる
- リラックスや安心感を得られる
- 日常でも必要なときに集中やリラックスできる
- 脳の疲労が回復し、頭が冴える
- 記憶力や判断力が改善・向上する
ヴィパッサナー瞑想による自覚と変容の力
もう1つの柱が「気づきの瞑想」と呼ばれるヴィパッサナー瞑想です。この瞑想によって特に得られるのは、無自覚な自分からの脱却です。
私たちは、無自覚な状態になって過ごし、無駄に時間を過ごしてしまったり、必要な注意を欠き不適切な言動・選択をしてしまいます。
また、、怒り・不安・後悔など、自分の心の現象に無自覚に反応して心を乱したり、心をとらわれてしまいます。その状態で言動や選択もしてしまいます。
しかし、ヴィパッサナー瞑想を続けると、たとえば次のような効果や変化が得られるようになります。
- 自覚して過ごす力が増し、無自覚で過ごしてしまうことが減る
- 心の現象、思考や感情に巻き込まれずに、平静を保てる
- 自分の心の動きを「プロセス」として冷静に気づける
- ネガティブな思考や感情の根が癒され、現れなくなる
- そうして、適切な言動・できるようになる
- ストレスやプレッシャー、葛藤に強くなる
ネガティブな思考や感情から解放される
本来のマインドフルネス瞑想では、ネガティブな心の働きに2つのレベルの対処が可能になります。
- 即時的な対処:サマタ瞑想で、その場で感情から距離をとり落ち着きを取り戻せます。
- 根本的な解放:ヴィパッサナー瞑想で、思考・感情の根の脳と心そのものを変化できます。
心と脳の変化による根本的な自己変容が起きる
マインドフルネス瞑想を続けると脳が変化します。神経回路が組み換わり、ストレス耐性や幸福感に関わる領域などが強化されます。
本来のマインドフルネス瞑想の実践では、さらに深くたとえば
- 過去に蓄積された「心の記憶」が浄化される
- 日常で新たに心が傷つくことを防止できる
- 身体の痛みを症状とだけ感じるようになったり、身体自体が癒される
- 脳、習慣が変化し、本質的に「自分が変わる」
というレベルに至ります。
『本当の自分』を生きられるようになる
無自覚でいると、自我やエゴにより『本当の自分』から離れてしまいます。そうして、無意識のストレスを抱え続けることや、どんなに成功しても虚しさを感じるようになります。
『本当の自分』を生きることで本当の幸福は得られます。本来のマインドフルネス瞑想の実践は、自我・エゴによる反応の連鎖を断ち切り、『本当の自分』との一致を取り戻す道でもあります。
人生が好転する潜在意識の土台ができる
私たちの潜在意識は、日々の思考や感情に影響を受けて現実を形づくっています。無意識の不安や否定的な感情が強ければ、望ましくない現実を引き寄せてしまいます。
本来のマインドフルネス瞑想は、潜在意識を浄化して、ポジティブで健全な方向へと働かせる力を育みます。その結果、引き寄せの法則も望ましい形で機能するようになり、人生が好転していきます。
悟りの智慧で生きられるようになる
本来のマインドフルネス瞑想は、仏教において智慧を悟るために体系化されたメソッドの中のものです。実践を重ねていくと、物事を道理の智慧が芽生えるときがきます。
そして、智慧のある判断や言動が自然と表れるようになります。本来のマインドフルネス瞑想の実践は、単なる自己改善ではなく、人生全体を照らす智慧の習得の道です。
人格・人生が本質的に変わるレベルの効果
以上のように
- サマタ瞑想による集中やリラックス
- ヴィパッサナー瞑想による自覚と変容
- ネガティブな思考や感情から解放される
- 心と脳の変化による根本的な自己変容が起きる
- 『本当の自分』を生きられるようになる
- 人生が好転する潜在意識の土台ができる
- 悟りの智慧で生きられるようになる
などの効果によって、本来のマインドフルネス瞑想の実践は、近年の西洋型の一般のマインドフルネス瞑想以上の効果をもたらします。
いつでも自分の心の主人でいられるようになり、人格・人生が本質的に変わる、「悩み苦しみ続けることから解放され、安楽・福楽に生きる人に変容する」レベルの効果まであります。