ステップ1

マインドフルネスとは(本来の意味)1

マインドフルネス瞑想は「マインドフルネス」になることをかなえるためのものです。

では、「マインドフルネス」とはどういうことなのか? 本来のマインドフルネスの「正念」について学ぶことで、本来の意味を知りましょう。

【動画による講義】

【文字による講義】

本来のマインドフルネス・正念とは

マインドフルネス・正念は、仏教の八正道(はっしょうどう)の項目のうちの1つです。

八正道は、次の8項目で構成されている「人が苦しむことから解放され、より良く生きるための合理的で現実的なメソッド」です。

そして、マインドフルネス・正念は次のように説かれています。略して紹介します。

マインドフルネス・正念

身について…「気づき」をそなえ
受について…「気づき」をそなえ
心について…「気づき」をそなえ
法について…「気づき」をそなえ
世における貪欲と憂いを除いて住む。
これを正念と呼ぶ。

「気づき」が並んでいますが

本来のマインドフルネスは「自分への正しい気づき」

マインドフルネスと訳された正念の「念」は気づきのことで、正念は「自分への正しい気づき」です。

自分を客観的に認知・自覚していることをメタ認知と言いますが

本来のマインドフルネスは、『正しいメタ認知』のこと。自分の心・体、その現象を客観的にありのまま気づきます。【自分の心の主】です。

瞑想の取組みによって、日常生活で当たり前に「自分に気づく力と習性」を開発します。そうして、いつでも【自分の心の主】でいられるようになります。

対象に巻き込まれなくなる本来のマインドフルネス

人間は、自分の外の物事や人を対象にして、また自分の心や体に現れる思考や記憶、感情、感覚などを対象にして反応して、様々な思いや気持ちになります。それに無自覚にそのままになれば、その対象に巻き込まれて自分の心の主でいられなくなります。

本来のマインドフルネスの「自分への正しい気づき」は、自分の反応や思いや気持ちに距離を置いて客観的に気づくことになり、対象に巻き込まれることを防ぎます。そうして【自分の心の主】でいることが可能になります。

本来のマインドフルネスは「心の汚れの防止・浄化」

また、正念の念は「記憶」という意味もあり、マインドフルネスは脳の記憶・回路、心の汚れの防止と浄化でもあります。

多くの瞬間に脳の自動操縦で脳の記憶・回路から無意識に現れる反応・認識・判断、また意識してする認識・判断も脳の記憶・回路が働いていますが、その記憶・回路はきれいだとは限りませんし、それにそのままになっていたら汚れる可能性がありますし、本当の【自分の心の主】ではありません。

マインドフルネスの正しい気づき、自分の瞬間瞬間への気づき、メタ認知は、無自覚に従来の反応・認識・判断そのままになることを防止するとともに、記憶・回路を浄化してきれいにします。そうして本当の【自分の心の主】になることを実現します。