ステップ5

ヴィパッサナー‐ボディスキャン瞑想【B】

ヴィパッサナー瞑想の簡易版の坐る瞑想の取組みをいくらかして、現象が現れたらすぐに気づけるようになってきたら、このボディスキャン瞑想にも取組んでみてください。気づきの力の開発に役立ちます。また、体のリラックス、癒しに効果的です。

簡易版の坐る瞑想とは、次の点がやり方が違います。

  • 簡易版の坐る瞑想は、腹部の観察・気づきをしていて、心と体の現象に気づきますが、ボディスキャン瞑想は体と体の現象にだけ気づくようにします。
  • そして、坐る瞑想は現象に気づいてゆっくりと腹部の観察・気づきに戻りますが、このボディスキャン瞑想は、体に気づいていて、体の現象が現れている間はその現象に気づき続けるようにします。

体の痛みなど体の現象は、記憶や思考など心の現象の現れよりも気づきやすいので、気づきの継続をしやすいのでこのようにします。

そして、こうすることは、現象が現れている間の瞬間瞬間に気づき続ける取組みとなるので、ヴィパッサナー瞑想の簡易版の坐る瞑想以上の気づきの力が開発されます。それは、次のステップ6からの本格版に役立つ力にもなります。

やり方

簡易版の坐る瞑想の瞑想状態をこのやりかたでする取組みかたと、次のページの寝た体勢や普段に簡単にする取組みかたがあります。

簡易版の坐る瞑想のやり方に準じた取組み

アーナパーナをしたりすることは坐る瞑想と同様にして、瞑想状態を次のようにします。

ヴィパッサナー瞑想の基本の腹部の観察・気づきを少しします。続けて、ボティスキャン瞑想として次のように体への「気づき」をはじめます。

瞑想中の「気づき」のやり方

体への「気づき」は次のようにします。

  • 静かに、心の眼で体全体の内側を観ている・感じているようにします。そして、体に現れている・現れてくる感覚・現象に気づくようにします。感覚・現象の現れに気づかない間は、体全体を観ている・感じているようにしています。
  • そして、体のどこかに感覚・現象の現れを感じたら、その部分に心の眼を向けて、平静にじっと客観的に瞬間瞬間のその現れを気づき「観ている」ようにします。感覚・現象には痛みやカユミやこわばり、動き、圧迫感など様々なものがあることと思います。
  • じっと客観的に瞬間瞬間のその現れを「観ている」ようにしていて、感覚・現象の変化・動きなどにも気づくようにします。
  • そうしていて体の違う場所に感覚・現象が現れたら、そちらに心の眼を向けて同様にします。複数の現れがある場合は強い感覚・現象のほうの気づきをします。

こうしていて、記憶や思考、感情など心の現象が現れたときは、それに対して反応や思考などはせずに現れたと気づくだけ気づいて、体への気づきを続けます。

例えば、顔などにカユミが現れたとします。かくことはせずに平静にじっと瞬間瞬間のカユミの現れを気づき「観ている」ようにします。そうしているとカユミが変化したり、なくなります。

足にシビレや痛みが現れたら、平静にじっと瞬間瞬間のシビレや痛みの現われを気づき「観ている」ようにします。姿勢を変えたり瞑想を中止したくなってもそうせず、気づき「観ている」ようにします。そうしているとシビレや痛みが変化したり消えます。

なお、激痛や強い不快の場合は瞑想を中止してもよいです。カユミや坐っていて現れる足のしびれや痛みで死ぬようなことはないので、それらはできるだけ現れている間は気づき続けるとよいです。

瞑想の終わり方は、これまでの瞑想と同じです。