手のひらで整う体・心・人生 ― レイキのセルフヒーリング

レイキのセルフヒーリングとは レイキシリーズ記事

シリーズの第6回のこの記事では、伝授を受けてレイキメソッド(方法・手法)を使えるようになって、最初にはじめる大事な取組みのセルフヒーリングについてお話しします。

セルフヒーリングは、レイキメソッドの中で、第一に大切な実践です。自分に手を当てるというシンプルな行為の中に、レイキメソッドの核心が含まれています。

1|セルフヒーリングとは ― レイキ実践の土台

セルフヒーリングとは、レイキのメソッド(方法・手法)で自分自身に手を当てて、自分のレイキ(=宇宙生命エネルギー)の流れを活性化させることです。

そうして、自分の体・心・意識を癒し整え高めることができるとともに、レイキの回路をいっそう整え広げることができます。レイキメソッドのもっとも基本的で重要な取組みです。

これは、はじめて伝授を受けてから、ずっと続けてほしい取組みで、レイキの深化と自己成長を支えます。継続的に行うことで、レイキの力はいっそう強くなり、他者ヒーリングなどレイキメソッドのすべての実践を支える土台になります。

伝授を受けて初めに始める理由

伝授を受けてすぐに他者にヒーリングをしたいと考える人もいますが、まず、するべきなのはセルフヒーリングです。開かれたばかりのレイキ回路はまだ繊細で、まず自分自身のレイキ、レイキの回路を整えることが大切です。

最初の段階の伝授で1日でレイキの回路は大きく開かれますが、まだ繊細で変化しやすい段階にあります。最初の伝授を受けてから21日間は特に、後でお話する12ポジションへのセルフヒーリングが大切です。

セルフヒーリンクで、レイキの流れを活性化することで、レイキの回路・流れを穏やかに整え、安定させていきます。焦らず続けるほど基盤がしっかりとして、次の実践へ自然に移行できます。実践の順序を守ることが、全体の質を高める鍵です。

自分の体と心を感じることから始める

セルフヒーリングでは、まず、効果を求める前に、レイキが自分の内にどのように変化として現れるかに気づくことが大切です。自分の体と心に起こる反応や変化を感じ、今ここに現れる感覚をそのまま感じるようにします。

手を当てて、体と心に現れてくる変化に静かに気づくようにします。気づきの意識がレイキの流れを高めてもくれます。判断せず、良し悪しも決めずに、ただ感じる姿勢が、レイキの巡りをより自然に深めます。

セルフヒーリングをするたびにする気づきの積み重ねは、セルフヒーリングだけでなく、他者ヒーリングのための技術的な開発にもなって、効果的にできるようになります。

2|セルフヒーリングの目的 ― 自己開発としての意義

セルフヒーリングで、自分にどんな変化が起こり、どのような成長ができるのか。

自己開発としてのセルフヒーリング

セルフヒーリングは、第一に、自己のレイキの回路を開発して、レイキ=宇宙生命エネルギーの流れを整え高めていく中心的な取組みです。

第二に、そうして、レイキの流れが整い高まるにつれて、自己の癒し・調和も進み、意識の変容、霊性の開発も進んでいく自己開発の道です。

そして、セルフヒーリングによって、自己の開発が進み、整い高く強いレイキになるほど、他者にも質の高いヒーリングができるようになります。自分自身が整い透明さを増しているとき、手を通して伝わるレイキもまた純度を増し、より安定し強い働きを示します。

体・心・意識と霊性への働き

セルフヒーリングは、レイキによる体・心・意識・霊性の三層への働きかけがあります。

まず、体への働きは分かりやすく現れます。エネルギー循環が整い活性化して、自然治癒力、免疫力が高くなります。体は軽快で活力のある状態へと導かれます。

そして、心にも変化が生まれ、安心感や穏やかさが広がり、感情の波がやわらぎ、より柔軟で温かな心が育ってきます。張りつめていた感情がほどけ、自分に対する否定や緊張がゆるみ、安堵感が広がってきます

さらに、レイキは意識や霊性の領域にも働きます。気づきや洞察が深まり、生命全体や宇宙との一体感を感じ、自分の存在の真理を悟るようになってきます。肉体・物質という枠を超えた、目に見えない次元レベルでの存在の在りように気づくようになってきます。

安定・調和・変容というプロセス

セルフヒーリングでは「安定」「調和」「変容」の3段階を経ていきます。

まず、心身が落ち着き、レイキの流れが穏やかに巡る「安定」の段階があります。

次に、体・心・意識が連動し内外のバランスが整い、自然な流れの中で生きる感覚が生まれる「調和」の段階が訪れます。自分の内側と外側の環境が噛み合い、無理のないリズムで日常を歩めるようになります。自分と世界の境界が少し柔らかく感じられるようになります。

そして、自己中心的な反応や執着から離れ自我から解放され、宇宙エネルギー・宇宙意識と調和した高次な生き方へ変わっていく「変容」の段階が起こってきます。ものごとの見え方が変わり、自分の中心が静かで広い場所へ移っていくような感覚が生まれます。

3|実践方法 ― 12ポジションと随時活用

この章では、セルフヒーリングの方法の「12ポジション」と、その時々の必要に応じて行う「随時の手当て」はどのようにするのかをお伝えします。

12ポジションの方法と目的 ― 全体を整え高める

12ポジションは、頭頂・額・側頭部・喉・胸・腹・背中・肩などに順に手を当てていく方法です。各ポジションで2〜3分ほど手を当てます。細かな方法や位置は伝授の際に学びますが、最初の伝授から21日間は、レイキの回路を安定させるため、特に大切な取組みです。

これにより、レイキが全身を活発に流れて、レイキの回路がいっそう安定し広がっていきます。そして12ポジションは、体・心・意識の全体が整い向上していく体系的な実践法です。

また、12ポジションのセルフヒーリングの実践は、随時の手当てのセルフヒーリングと他者ヒーリング、レイキメソッド全体の基盤となる力も育てます。

必要なところへ必要な時 ― 随時の手当て

随時の手当ては、必要な時に必要な場所に手を当ててレイキを流す最も実用的な方法です。日常のさまざまな場面に応じて、自分を助け、整えることができます。生活の中のちょっとした不調や心の揺らぎに、そのまま手を当てるだけでレイキが働きはじめます。

怪我や腹痛など体に不調が現れたとき、そこに手を当てればレイキが流れ、生命の流れ(気)の流れが整い高まり回復します。

体の痛み、不調、疲れ、心の不安や緊張など、どんな時にもその場で手を当てます。たとえば、胃の痛み・肩こり・頭痛・胸の重さ・気分の落ち込みなどの時、数分間手を当てるだけで驚くほど落ち着くことがあります。

私の場合は、子どもの頃からの過敏性大腸症候群や、鬱病のときに心の落ち込みを、レイキのセルフヒーリングで癒し、克服することもできました。

こうした手当てを日常的に行うことで、体調や感情の波を自分で整える力も身についてきます。自分で自分をケアできる安心感が大きな支えになります。

そして、レイキを日常的に使えば使うほど、レイキの回路はいっそう広がり、レイキはより強く、深く流れるようになります。

4|セルフヒーリング中の意識の置き方 ― 無為自然

セルフヒーリングの深まり・効果は、どのように意識を置くかによって大きく変わります。

この章では、「無為自然」の意識に触れながら、ただ自然に任せるとはどういうことなのかを探っていきます。実践の質を静かに高めるための大切な視点が見えてきます。

意識の基本 ― 自然の流れに任せる

手を当てているとき、私たちはつい「何かを起こそう」「もっと感じたい」と思いがちですが、レイキは意図的に動かすものではありません。


無理に何かを起こそうとせず、自然の流れにゆだねるのが「無為自然(むいしぜん)」のあり方です。

レイキは「流そう」と努力せずに、自然の流れに任せることで最も純粋に働きます。

セルフヒーリングの最中は、心の中で過度な期待や“良くしなければ”という意図を抱え込む必要はありません。セルフヒーリングの時は、「良くしよう」「治そう」等と意図を強く働かせることなく、手を当てて、自然の流れに任せます。
ただ手を置き、今起きていることに静かに気づいているだけで、レイキは必要な働きを自然に始めます。努力を手放すと、内側の緊張も少しずつほどけていきます。

レイキは意図によって操作されるものではなく、生命そのものの流れとして働いていきます。
レイキは、今、必要なところに、今、必要なだけ自然に流れていきます。「任せる」ということは、受け身でも無関心でもなく、宇宙意識・宇宙エネルギーの働き、レイキ=宇宙生命エネルギーを信頼するということです。
自分の思いを押しつけないとき、レイキの本質的な働きがもっとも純粋なかたちで現れます。

気づきの意識 ― 流れを感じる

セルフヒーリングでは、手を当てている時間そのものが「気づきの時間」になります。
セルフヒーリングにかぎらずレイキのメソッド(方法・手法)では、手を当てながらレイキの流れを「ただ感じる」意識のあり方が大事です。感じることそのものがレイキの流れを強く、深くします。
何かを起こそうとせず、静かに注意を向けるだけで、内側の反応が自然に開いていきます。

私たちの意識には、向けた場所にエネルギーが集まるという性質があります。
私たち人間は、意識が向いたところにエネルギーが集中します。ですから、感じて意識を向けることで、そこにいっそうレイキが集中して流れるようになります。
手を当てている場所やその奥に広がる感覚を静かに意識すると、レイキの働きがいっそう豊かに展開していきます。

大切なのは、体の内側で起きている小さな変化に穏やかに寄り添う態度です。
温かさや鼓動、体の内側の反応を、ただ感じる。判断や意味づけをせず、静かに気づき観察していると、レイキの流れはより強く深まっていきます。
感じるだけで、レイキは必要な働きを自然に始めます。気づきの意識が深まるほど、セルフヒーリングは静かに豊かな時間となっていきます。

ゆだねる意識 ― 自他を超えて宇宙そのものに

セルフヒーリングを続けていると、意識の深まりは思いがけない方向へと広がっていきます。手を当てているだけの時間が、いつしか「自分という境界」そのものを静かにゆるめ、より大きな流れへと溶け込むような感覚をもたらします。
無為自然の最も深い段階では、自然な流れにすべてをゆだねる意識となり、すると、手を当てる自分とレイキの根源である宇宙との分離が消え、一体化していく意識状態になります。それは「宇宙そのものの働き」としての自己を感じる境地です。
努力やコントロールを手放すほど、レイキの本質はより純粋に働き始めます。

この境地は、突然「特別な霊的体験」として起こるというよりも、静かな積み重ねの先に自然に訪れます。
セルフヒーリングを続けていると、次第に「自分がしている」という感覚が薄れ、宇宙エネルギーが自分を通って流れている、あるいは「自分が宇宙そのものになっている」と感じる瞬間が訪れることがある。それは自我意識が薄れ、本来の自然な自己に戻ることによって起きる結果です。
内側の静けさが深まるほど、「私」が何かをするのではなく、ただ“宇宙の働きが起きているだけ”だと理解できるようになっていきます。

5|日常に現れる変化 ― 体・心・意識への深まり

セルフヒーリングを続けていくと、その効果は特別な場面だけでなく、日常の何気ない時間にも静かに広がっていきます。気づけば、体の感覚が軽くなっていたり、心の反応が柔らかくなっていたり、物ごとの受けとめ方が自然と変わっていることがあります。この章では、レイキの実践が日々の暮らしにもたらす“体・心・意識”それぞれの深まりに触れ、どのように変化が育っていくのかを見ていきます。

体の変化 ― 流れが整うと自然に回復する

セルフヒーリングを続けていると、まず身体の反応がわかりやすく現れてきます。
セルフヒーリングを継続することで身体的変化が現れてきます。
日々の手当ての中で、緊張がほどけたり、呼吸が深くなったりと、体の奥で小さな整いが積み重なっていきます。

レイキが流れやすくなるにつれて、体は本来のバランスを取り戻し始めます。
レイキが活発に流れるようになってくると、血流や気の流れが整い、冷えやこり、痛みなどが自然に軽くなることがあります。体が温かくなる、眠りが深くなる、疲れにくくなるなどの変化は、生命エネルギーが本来の循環を取り戻した結果です。
力むことなく、自然に回復の方向へ向かっていくのがレイキの特徴です。

続けるほど、体そのものが変化に気づきやすく、また整いやすくなっていきます。
継続するほど、体は宇宙生命エネルギー=レイキを通す導体として自己治癒力・自己調整力が高まってきます。
日常の中で体が軽く感じられたり、疲労が蓄積しにくくなったりと、全体としての安定感が自然に深まっていきます。

心の変化 ― 安らぎと受容が広がる

セルフヒーリングを続けていると、身体だけではなく、心にもゆっくりとした変化が現れてきます。
セルフヒーリングによって心理的・情緒的な変化も現れてきます。
手を当てる静かな時間が、心の緊張をほぐし、内側に柔らかさを取り戻してくれるからです。

レイキが深く流れ始めると、感情の波がしだいに落ち着き、心が自然に整い始めます。
手を当てていると、感情の波が穏やかになり、安心感が自然に広がっていきます。不安や怒り、悲しみといった感情も抑えるのではなく、レイキの光に包まれて自然に溶けていきます。
感情を無理に抑えたり変えようとする必要はなく、そのまま気づいているだけでやわらいでいきます。

そうして心が落ち着いてくると、自分に対する受けとめ方も変わってきます。
そうして、自分を責めず、ゆるせるようになり、内側に安心の場ができていきます。
過去の出来事や感情への反応が静まり、“そのままの自分でいていい” という感覚が深まっていきます。

この変化は、ただ心がリラックスするだけでは終わりません。
それは単なるリラックスではなく、自己信頼・他者信頼の感覚が芽生えるプロセスでもあります。
自分と世界を以前よりも安心して受け入れられるようになり、日常そのものが少しずつ優しい色合いへと変わっていきます。

意識の変化 ― 宇宙意識と調和した日常へ

セルフヒーリングを丁寧に続けていくと、身体や心の変化を超えて、意識そのものの質に静かで確かな広がりが生まれてきます。
セルフヒーリングを続けていくと、直感や洞察が自然に働くようになり、自然な大調和の創造的な選択も増えてきます。
日常の中で、以前よりも「何が自然で、何が自分にとって調和的なのか」を瞬間的に感じ取れるようになり、行動も静かに変わっていきます。

こうした意識の変化は、外側の努力によってつくられるものではなく、内側の静けさが深まることで自然に訪れます。
内なる静けさと一体感が日常にも続き、人や出来事、自然のすべてに宇宙エネルギーの流れを感じるようにもなってきます。その感覚は、宇宙意識と調和しているような境地です。
“自分” と “世界” の境界が柔らかくなり、何かに守られているような安心感が日常の底に流れはじめます。

この意識の成熟は、レイキの働きそのものを深い次元へと広げます。
この意識の深まりは、レイキの流れをさらに精妙にし、癒し・調和・成長の循環を加速させます。
自分が整うほど、レイキの回路は透明さを増し、日々の出来事がより自然な形で調和へ向かっていくようになります。

6| Integral Reikiの場合 ― より調和的に深く・強く

私の実践している統合型レイキ〈インテグラル・レイキ〉では、セルフヒーリングの12ポジションの方法や、随時の活用の仕方を、一般の伝授よりも詳しく指導します。受講する方が抱えている心身の状態や課題に合わせて、すぐに活かせる具体的な方法も教えます。

さらに、僧として専門僧堂で暮らし禅を修行し、ミャンマーで初期仏教の瞑想を修めた経験をもとに、「日常の呼吸の質を高めるための呼吸訓練法」と、「セルフヒーリング中の効果を高める呼吸法」も指導しています。

このようなアプローチによって、インテグラル・レイキのセルフヒーリングは、より調和的に、深く、強く行えるようになります。実践を重ねるほどに、調和(心身のバランス)、力(深く強いレイキの流れ)、意識の変容、霊性の開発が自然に進んでいくよう工夫されています。

7 結び|セルフヒーリングで、レイキを活かし生きる

レイキメソッドのセルフヒーリングは、今の毎日を変え、これからの人生の支え助けにもなってくれます。体や心を整えられるのはもちろん、自分の内にある生命の流れの力を信頼して活かして生きられるようにもなります。

セルフヒーリングで手を当てるたびに、レイキの流れは私たちの内側を潤し、疲れや迷いをやわらげ、心を本来の穏やかさへと戻してくれます。日々の中でセルフヒーリングを続けていくことで、レイキとともに助かり、成長していかれる生き方が自ずと育ってきます。

レイキの流れに委ね、体と心の声に耳を澄ませながら生きると、自分を取り巻く世界にも自然と調和が広がっていきます。穏やかさ、感謝、そして他者への優しさが日常の中で育ち、その中で意識の成長や霊性の開発が静かに進んでいかれるようになります。

セルフヒーリングとは、そのようにして、安心して生きる力を取り戻していく方法です。


次回は―「第7回|する方も癒され高まる ― レイキの他者ヒーリング」 

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