伝授(=アチューンメント)は、レイキのメソッド(方法・手法)の実践を始めるためのプロセスです。それは、レイキのメソッドをできるようにするための手順であり、ティチャーになれる段階の伝授まで受けたティーチャーによって行われます。
シリーズ第4回のこの記事では、伝授の必要性・意義や原理、伝授を受けることで得られることなど、伝授について深く理解できるようにお話しします。
そして、あなたも第1段階の伝授を受ければ、その日からレイキのメソッド(方法・手法)を使えるようになれます。
1|なぜ『伝授』という形が必要なのか
レイキ(=宇宙生命エネルギー)は、もともとすべての人に備わっている生命エネルギーです。それにもかかわらず、なぜ「伝授」という形式が存在するのでしょうか。
ここでは、伝授が果たす実践的意義を見ていきます。
伝授の意義 ― レイキを「方法」として扱えるように
レイキ(霊気=宇宙生命エネルギー)の本質は、宇宙エネルギー(霊)と個体の生命の流れ(気)の調和にあります。それは誰の中にも存在していますが、意識されずに日常を過ごすうちに、その流れや働きは弱まりやすくなります。
伝授は、この自然の力を意図的に整え高められるようになるための取組みです。単に「癒しの感覚を得る」ためではなく、レイキを『再現性のあるメソッド(方法・手法)』によって使えるようにするためのものです。
そして、確実に再現性のあるメソッドにするためには、一定の手順・段階・伝達が必要です。
伝授はその役割を担い、エネルギーの流れを安定化させる基礎構築のプロセスとなります。
伝授の「師と弟子」という形式のもつ意味
レイキメソッドの伝授は、「師から弟子へ」という形式を取ります。それは、信仰や権威のためではなく、正しい関係性と場で行うことが大切だということです。
ティーチャーは、宇宙エネルギーとの接続を明確に保ち、自らのレイキ(宇宙生命エネルギー)を高めて、受け手が安心して自己のレイキの回路を開けるように場を整えます。この構造があることで、伝授は安全で安定したプロセスになります。
また、師と弟子という関係性を持つことで、伝授は、受け手にとって一過性の体験ではなく、学習と成長を伴う体系的な修養の道として継承されます。
このように、伝授は、レイキを意図的に使えうことができるようになるための手順であり、形式を通じて実践の安全性と再現性を保つ大事な取組みです。
H2|伝授の原理 ― エネルギー回路が開く
伝授の場では、エネルギーがティーチャーを通じて受け手へと流れ、両者のエネルギーが共鳴することで受け手の回路が開かれていきます。
ティーチャーの体と意識は、エネルギーの媒体(メディア)となります。
ここで起きている現象は、霊的・心理的な感覚としてだけでなく、科学的にも理解できるエネルギーの共鳴現象として説明することが可能です。
伝授で起きるエネルギーの流れ
伝授では、まずティーチャーが普段以上に宇宙から宇宙エネルギー(霊)を受け取り、自らの内で、整えられた生命の流れ(気)との調和によって、エネルギー・波動の強く高い宇宙生命エネルギー=レイキ(霊気)が生じます。
この状態で、ティーチャーは受け手の背後や頭部などに手をかざし、エネルギーを受け手の体内の気の流れに導きます。すると、エネルギーが共鳴し、強く高く活性化します。そして、受け手自身が宇宙から宇宙エネルギーをより多く取り入れられるようになります。

このとき重要なのは、ティーチャーが「エネルギーを与える」のではなく、受け手の宇宙エネルギーと個体の生命の流れ(気)が共鳴する条件を整えているという点です。
エネルギーは宇宙から流れ込み、受け手自身の中で回路が開く。この瞬間こそが伝授で起きている根本的な変化です。
こうして回路が開くと、宇宙生命エネルギー=レイキ(霊気)の流れは、より明確に感じ取れるようになります。手のひらの温かさ、呼吸の深まり、内的な静けさは、宇宙生命エネルギー=レイキが活発に流れ働き始めたサインです。
エネルギー場での指導者と受講者のエネルギーの共鳴
伝授の際中、ティーチャーと受け手のエネルギー場が重なり合います。二人の間に共鳴場が生じることで、受け手のレイキの流れはより強く、より整った状態へと変化します。
この共鳴は、音叉が共振するように、周波数の一致によってエネルギーが増幅する現象と似ています。ティーチャーが整った意識状態、気の流れの状態であるほど、その場の波動は安定し、受け手の体と心に深い安心が広がります。
こうしたエネルギーの共鳴は、信仰や暗示によるものではありません。意識の焦点と呼吸の一致、そして両者の場の整合がもたらす自然現象として理解できます。
量子共鳴としての『場』の整合(コヒーレンス)
伝授の場で起きるエネルギーの共鳴は、量子物理学でいう「コヒーレンス(整合・同調)」の概念とよく対応します。複数の波が同位相で振動するとき、その全体はより大きな秩序をもって働く ― それがコヒーレンスの原理です。
伝授の場でも同じことが起きています。ティーチャーの意図と受け手の意識が調和すると、場全体の波動が整い、秩序が高まります。このとき、エネルギーは最も安定した形で流れ、受け手のエネルギー回路は安全に、しかも力強く開かれていきます。
3|臼井哲学における伝授の意味
霊気療法、レイキメソッドの創始者の臼井甕男(うすいみかお)先生にとって、伝授とは、たんに教義を伝える儀式ではありませんでした。
それは、師と学ぶ者が心の静けさと宇宙の光を共に体験する時間。彼が説いた「人を癒す」とは、「共に光の場に入ること」―。この考え方に、臼井レイキの哲学的中核があります。
「悟りの共有」と「心の静けさ」― 臼井哲学の中核
臼井先生にとって、癒しと悟りは分離したものではありませんでした。癒しとは、共に光の場に入ることによって心が静まり、真の気づきが生まれる過程そのものでした。
この静寂の場では、指導者も受け手も上下の関係ではなく、同じひとつの意識の中に存在します。臼井先生は、心の安らぎと光の体験を共有することを「悟りの共有」と呼び、そこにこそ人を癒す本質的な力があると考えました。

この心の静けさは、単なる感覚ではなく、意識の明晰さと調和が高まる状態です。静けさが深まるにつれ、思考や感情のざわめきが静まり、レイキの流れはより穏やかで純粋に働くようになります。
臼井先生の伝授とは、この静寂の意識を共に実感し、共に生きるための時間でした。そこには、癒しと悟りを一体化した、深い精神性が息づいています。
臼井伝授の精神 ―「教える」ではなく「共に在る」
臼井先生の伝授は、知識や技法を上から教えるものではありませんでした。それは、師と弟子が共に静けさに入る時間。そこでは「教える者」と「学ぶ者」は区別されず、同じ光の流れの中で、共に癒しと気づきを体験します。
この「共に在る」という姿勢こそが、臼井レイキの精神を貫く原理です。そこには、押し付けも信仰もありません。あるのは、互いに自立した意識が共鳴し合う平等で透明な関係です。
そのような伝授の場では、師は弟子の中にすでに備わっている光を尊び、弟子は師を通して自らの本質を見出します。両者の意識が共鳴するとき、そこに流れるのは宇宙生命エネルギーそのものです。
4|4段階の伝授 ― 癒しと意識の変化
たとえば、西洋レイキや、私が実践している統合型レイキのインテグラル・レイキでは、
伝授は4つの段階で行われます。
それぞれの段階には特有の体験と意識の変化があり、段階を重ねるごとに、レイキの働きはより深く、より自在に開かれていきます。
ここでは、4段階の伝授によって起こる内的な変化 ― 癒しから意識の成長へと進むプロセスを見ていきましょう。
第一段階の伝授 ― 体と感覚の回復
第一段階では、レイキの回路が開かれ、手のひらから流れるエネルギーをはっきりと感じ取れるようになります。多くの人が、手の温かさ、深い呼吸、心の安らぎを体験します。それは、宇宙生命エネルギー=レイキが生命の内に活発に流れ始めたサインです。
この段階では、身体がほぐれ、眠りの質が変わり、「自分の内に静かな力がある」と感じられるようになります。特別な集中をしなくても、自然と呼吸が整い、日常の中で心身の調和が保たれやすくなります。
ここで得られるのは、「癒しは自分の中から起こる」という確かな実感です。それが、次の段階への土台となります。
第二段階の伝授 ― 感情の調和と心の透明さ
第二段階では、レイキの流れが安定し、いっそう活発になり、感情や思考の動きが少しずつ穏やかになります。これまで抑えてきた感情がふと浮かぶこともありますが、それはエネルギーが心の奥に働きかけ、内側の整理が進んでいる証です。
感情を無理に抑えるのではなく、流れに委ねることで、自然と心の透明さが戻ってきます。人との関わりでも、相手の感情に巻き込まれにくくなり、穏やかな距離感と受容が生まれます。
この段階での変化は、日常生活そのものに現れます。朝の気分、言葉の選び方、人への反応が少しずつ変わり、気づけば周囲の空気が柔らかく感じられるようになる ― そのような、静かな心の変化です。
第三段階の伝授 ― 意識の深化と洞察の広がり
第三段階では、レイキがより深い層で働き始め、癒しは意識の成長へと移行します。日常の出来事を通して、物事の意味が以前よりも広い視点で見えてきたり、内なる導きに気づく瞬間が増えていきます。
この段階では、意識の焦点が外から内へと自然に移り、判断や比較よりも「理解」と「気づき」が中心になります。忙しさや不安に飲み込まれても、心の奥には静かな中心が保たれている ― そんな安定した感覚が芽生えていきます。
第三段階の体験は、「癒すためのレイキ」から「生き方としてのレイキ」への移行期でもあります。それは、レイキが心の中で『教え』ではなく『状態』になる時です。
第四段階の伝授 ― 分かち合いと成熟の意識
第四段階では、自分も伝授者のティーチャーとなって、レイキメソッド(方法・手法)を他者に伝授して分かち合う意識が生まれます。
レイキメソッドを使えるようになって「ともに整い、高次元の意識と調和して成長して生きる」人が増えてほしいという願いが芽生えます。
この段階では、奉仕や伝達の姿勢が中心になりますが、それは義務としてではなく、生命の自然な成長の表れです。レイキメソッドを使ったセルフヒーリングや他者ヒーリングによって高まってきた自分の中に流れるレイキによって、人はそのように意識が成長するのです。
このように、レイキメソッドの伝授の効果は段階を経て深まります。4段階で、体・心・意識がそれぞれの層で癒され調和し高まり、人生が変わってきます。
5|本来の自分を生きる ― 宇宙意識との再同調へ
伝授の本質は、私たちの内に流れている宇宙生命のリズムを回復することです。それは、宇宙エネルギー・宇宙意識と生命の流れが再び響き合い、本来の調和を取り戻す再同調の道です。
この再同調が進んでくると、不安や後悔などや他者からのことで自分に現れる思考や感情に反応するより、高次元の意識につながった『本来の自分』を生きられるようになってきます。

そして、心の底からの安心、喜び、幸福が広がっていきます。伝授とは、私たちの生命が再び宇宙とひとつの流れとなり、私たちの「真の自己」が息づき始めるための扉です。
そして、私の実践している統合型レイキのインテグラル・レイキでは、この「宇宙意識との再同調」を大切にしています。それは、癒しを超えて、一人ひとりが本来の自分を生き、真の安心・喜び・幸福を現実の中で実現していくための道です。
6|結び:ダイナミックな本来の生命力を手に入れる
伝授よって開かれるのは、誰かから与えられる特別な力ではなく、私たちの内にずっと流れ続けていた生命の働きです。その流れが整い高まってくると、体や心はやわらぎ、力を取り戻し、思考は澄み、日常のひとつひとつが充実に変わっていきます。
伝授によってレイキのメソッドが使えるようになることは、宇宙のダイナミックな調和や創造の力と共鳴する「本来の生命力」を手に入れることです。
今この瞬間にも、あなたの中にはその働きは息づいています。もし、それを感じてみたい、意図的に使えるようになりたいと心が動いたなら、伝授を受けてみることが、あなたの生命と意識をひらく最初の一歩になるでしょう。
7|統合型レイキのインテグラ・レイキの伝授の場合
そして、私が実践している統合型レイキのインテグラ・レイキの伝授は、臼井霊気療法の精神と西洋レイキの体系を基礎に、心理学、マインドフルネス、呼吸法、瞑想などの手法を融合し、4段階それぞれで、いっそう確実に高い力を得られるプログラムになっています。
たとえば、第一段階では呼吸の改善と呼吸法の指導、五戒を現実的に守る手段の指導。第二段階では、シンボルと祈り・アファメーションを組み合わせる方法の指導。第三段階では、チャクラ活性化の瞑想指導を通して、霊気の流れを意識そのものの中心へと導きます。
インテグラ・レイキの伝授は、癒しの力を開くだけでなく、「生き方そのものが整い拡張していくプロセス」として設計されています。それは、体・心・意識と霊性の三層が調和し、人が本来の力と安らかさを取り戻す体系的なプログラムです。
統合型レイキのインテグラ・レイキの詳細は
[Change-Life レイキプログラム紹介ページ]をご覧ください。
次回は ―「第5回|レイキの哲学 ―『五戒』に込められた日常の在り方の指針」 伝授で開かれたレイキの回路を、日常生活の中でどのように育て、整えていくのか。臼井先生が残した「五戒」の教えと実践を通して学びます。


